解剖学は最初の挫折ポイント
医療系の学校に入学すると、一番最初にやってくる科目は基礎医学の授業です。
中でも人体の構造を学ぶ「解剖学」と、人体の機能を学ぶ「生理学」は、初学者必須の科目になります。
授業用のテキストは文字や文章ばかりで、イラストはおまけ程度でわかりにくい。
授業ではなんとなく理解したつもりでも、試験勉強の時にはすっかり忘れてしまっているということが多いのが現実です。
イメージしたい
字面だけで覚えられる人は解剖学は苦労しません。というよりも、すべての科目で苦労しません。
しかし、人間の記憶容量には限界があるのです。
私も学生時代は苦労した一人です。
ネッターシリーズは芸術のレベル
ネッター解剖学アトラスは、リアルで見やすいイラストがオールカラーで掲載されています。
その見やすさは、もはや芸術品。
文章は全くありませんが、1ページ1ページがとにかく見やすくわかりやすい「美術作品」といってもいいレベルです。
右脳に刺激
ネッター解剖学アトラスに出会うまでは、テキストしか知らず、左脳(言語脳)の記憶に頼っていました。
それがネッター解剖学アトラスに出会った瞬間から、右脳(イメージ脳)がビンビン刺激されます。
小難しい文章はなく、美しいビジュアルから頭にインプットされイメージしやすいです。
医学系の学校はとにかくイメージが大切。
言語(左脳)で覚えなければならない情報量が非常に多いため、記憶容量があっという間にオーバーフローします。
ビジュアルでイメージすることによって左脳の容量が限界を迎えても、右脳の容量を使うことができます。
これにより記憶容量が一気に倍増するのです。
痒い所に手が届く
「このアングルからの図が欲しいんだよなー」という図が全て載っています。
例えば脳神経は、第1脳神経(視神経)から第12脳神経(舌下神経)までありますが、ネッター解剖学アトラスでは、それぞれ脳神経が1~2ページに分かれており、その機能もイメージしやすいスケッチでまとまっています。
頭蓋骨は15種22個の骨から構成されています。
15種の骨を覚えること自体はそれほど難しくありません。
しかし、医療系の学校では、学内試験や国家試験などで、眼窩、鼻腔、頭蓋底を構成する骨を問われることがあります。
これが意外に複雑で、授業ノートやテキストのみの場合、イメージするのに苦戦します。
ネッターの解剖学アトラスでは、12種の骨が色分けされているため、眼窩、鼻腔、頭蓋底が非常にイメージしやすくなっています。
電子書籍付き
ネッター解剖学アトラスに一つ欠点を挙げるとすれば、大きい、重い。
A4コピー用紙500枚入のアレを持ち歩いている感覚です。
第7版からは、電子書籍付となりました。
これならiPadなどのタブレットで持ち運び可能です。
これにより、本書の唯一の欠点が消えました。
3Dアプリとの比較はできないが…
最近では、解剖学を立体的に捉えることができるアプリが存在しています。
確かに位置関係などを確認する際に、色分けしたり、好きなアングルから捉えたりできます。
最近の学生さんはスマホでこのようなアプリを使用しているようです。
私のようなアナログ人間にはどちらが良いかの比較はできません。
入学祝いや贈り物にも
ネッター解剖学アトラスは、医学部や歯学部、医療系学校、スポーツ系学校の入学祝いとしてもおすすめの医学書です。
コメント