極限の集中状態「ゾーン」はどこにある?競技や性格によって異なる至適覚醒レベル

極限の集中状態「ゾーン」はどこにある?競技や性格によって異なる至適覚醒レベル パフォーマンス向上
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ゾーンとは

スポーツにおける「ゾーン」は、選手自身が極限の集中に入った状態をいいます。

  • ボールが止まって見える
  • 相手の動きがスローモーションに見える
  • 体が勝手に反応する
  • 何をやっても上手くいく
  • ボールがゴールに吸い込まれる
  • 歓声や雑音が何も聞こえない

このような究極ともいえる状態を体験したことがありますか?

ゾーンは無我の境地で最高レベルのパフォーマンスを発揮している状況にあることをいいます。

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簡単にゾーンを再現できない

豊富な競技経験を持つトップアスリートでも数回あるかないかの究極の状態です。

再現しようと思っても、なかなか「ゾーン」に入ることはできません。

選手によってはその時の状態を全く覚えていないこともあります。

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ヤーキーズ・ドットソンの法則

ヤーキーズ・ドットソンの法則(Yerkes-Dodson’s Law)は、心理学者のロバート・ヤーキーズとJ・D・ドットソンが1908年にネズミを用いた実験で発見した心理学の理論です。

The relation of strength of stimulus to rapidity of habit-formation

人は多少のストレス(覚醒レベル)があると注意力が高まり作業効率が高まるが、逆にストレス(覚醒レベル)が高すぎるとパフォーマンスは落ちていくという法則です。

スポーツに限らず、学習や作業のパフォーマンスにも多く使われています。

さがり

左側「さがり」の状態は、気分がのらない状態です。

覚醒レベルが低いため、刺激に対する閾値が上がり、情熱や動機を失っている状態です。

弱い刺激に対しては反応せず、委縮や諦め、モチベーションが低い状態とも言えます。

強い刺激に対しても反応が弱めです。

やる気にならないと何もしようと思わないのと同じで、さがりの状態が強いほどパフォーマンスを発揮することはできません。

あがり

右側「あがり」の状態は、過緊張状態です。

覚醒レベルが高いため、刺激に対する閾値が下がり、冷静さを失っている状態です。

弱い刺激に対しても過剰に反応するため、迷いや狼狽(うろた)えが強く動揺しやすい状況です。

やる気が空回りすることもあるように、あがりの状態が強いほどパフォーマンスを発揮することはできません。

ゾーンは究極の至適レベル

この至適ゾーンの最高峰にいわゆる「ゾーン」があることが考えられます。

「さがり」と「あがり」の中間に位置し、もっともバランスのとれた状態です。

至適ゾーンの中央に近いほど高いパフォーマンスを発揮することができます。

競技によって覚醒レベルが違う

すべての競技で、至適ゾーンの覚醒レベルが同じとは限りません。

冷静さを求められる競技では覚醒レベルが低い方が良く、力強さを求められる競技では覚醒レベルが高い方がパフォーマンスが高くなります。

特に精密さ、緻密さ、繊細さといった複雑な動きを求められる競技では、心理状態が低い方が高いパフォーマンスを発揮できます。

それに対し、爆発的な力発揮や、比較的単純な動きを要求される競技においては、心理状態が高い方がパフォーマンスを発揮できます。

このように、競技特性によっても至適ゾーンは異なります。

個人の性格によっても異なる

競技特性とは別に、個人の性格によっても至適ゾーンは異なります。

この画像は、内向的な性格の選手と外向的な性格の選手のモデルです。(一概にこのような形とはいえませんが…)

この内向的な選手の特徴は、至適ゾーンが覚醒レベルのやや低い位置にあって狭いのですが、ひとたび至適ゾーンに入ると非常に高いパフォーマンスを発揮できます。

反面、大差がついた状態や、ピンチの場面になるとパフォーマンスが発揮できない状況になります。

一方で、この外向的な選手は、至適ゾーンが覚醒レベルの高い位置にあって広いのが特徴です。

どのような状況でも安定して高いパフォーマンスを発揮できる代わりに、とてつもなく高いパフォーマンスを発揮することはあまりありません。

このように個人の性格によってもベルカーブ大きさや形が異なります。

至適ゾーンを探そう

あがりの状態で良いパフォーマンスが出せるプロゴルファーもいれば、クールな状態の方が良いパフォーマンスが出せる重量挙げの選手もいます。

個人差がありますので、試合の中で自分に合った至適ゾーンを探してみてください。

参考書籍はスポーツメンタルトレーニング教本三訂版です。

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