バルサルバ法とは
トレーニングに用いられるバルサルバ法(Valsalva maneuver)は、トレーニング動作の一定範囲で息を止めてこらえる方法です。
息を大きく吸い込んで止め、力強く息を吐き出そうとしながらこらえます。
努責(どせき)やいきみと言われることもあり、出産(分娩)時や排便時など、腹圧を高める必要のある際にも用いられます。
また、医療業界におけるバルサルバ法は、耳抜きや心拍リズムの調節として用いられます。
高齢者、高血圧患者は呼吸を止めずに
一時的に血圧が上がるため、高齢者の方や高血圧症の方は疾病リスクが高まるため、呼吸を止めずにトレーニングをすることが推奨されます。
トレーニング初心者や、自重(自分の体重)や軽重量を用いたトレーニングでは、呼吸を止めず行うことが原則です。
高重量ストラクチュラルエクササイズ
スクワットやベンチプレスといった、主要なエクササイズ種目のことを「コアエクササイズ」と呼びます。
コアエクササイズのうち、脊柱の長軸方向に圧の掛かるエクササイズ種目のことを「ストラクチュラルエクササイズ」と呼びます。
バルサルバ法は一般的に、このストラクチュラルエクササイズで用いられます。
ストラクチュラルエクササイズの一例としては下記の種目が挙げられます。
バルサルバ法は、このような種目を高重量で行う際に用いられます。
腰痛を予防する
バルサルバ法は呼吸法の一部ですが、吸気時に用いるブレイシング(画像真ん中)のテクニックの応用です。
お腹を膨らませて腹圧を高めることにより、体幹が安定し、腰部に発生する傷害を予防します。
スクワットにおけるバルサルバ法の手順
スクワット動作のバルサルバ法の手順は下記の通りです。
- バーベルを担いでスタートポジションをとる
- 大きく息を吸って止める
- ボトムポジション(深くしゃがんだ位置)まで降下する
- 切り返し立ち上がる
- スティッキングポイント(挙上過程で最も力が入りにくい点)をこえる
- スティッキングポイントをこえたら口から息を強く吐きながら立ち上がりきる
この方法により、高重量を扱うようなスクワットでも腹圧が抜けることなく姿勢を維持することができます。
デッドリフトのバルサルバ法の手順
デッドリフトでのバルサルバ法の手順を紹介します。
- 床に置かれたバーベルを掴みスタート姿勢をとる
- 大きく息を吸って止める
- 床から引き上げる
- 立ち上がりきったところで息を吐く
- 立ったまま呼吸を整え、再び大きく息を吸って止める
- バーを降下させ、床に置いたら息を吐く
この方法により、高重量を扱うようなデッドリフトでも腹圧が抜けることなく姿勢を維持することができます。
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