ベンチプレスとは
ベンチプレスはフラットベンチに仰向けに寝た上体でバーベルを持ち上げるコア(主要)エクササイズの一つです。
スクワット、デッドリフトと並ぶ「ビッグ3」の一つで、体重より重い高重量を持ち上げるエクササイズです。
一見、肩に強い負担が掛かりそうな種目ですが、ショルダーパッキング(肩甲骨内転・下制位)を維持することで肩関節前面の伸張ストレスが大幅に軽減されます。
これにより肩を痛めることなく安全に動作することができます。
ショルダーパッキングについては、下記の記事で紹介していますのでご覧ください。
ショルダーパッキングの有無
上がショルダーパッキング(肩甲骨内転・下制位)を使ったベンチプレス姿勢。
下が肩甲骨外転位のベンチプレス姿勢になります。
上のように肩甲骨を後下方に引き寄せた方がスムーズなボトムポジション(バーを胸につけたポジション)になります。
それでは詳しく見ていきましょう。
ショルダーパッキングを維持する
ベンチプレスのフォームを頭上から見た画像です。
肩甲骨の位置がわかるように、頭部を透かしています。
正しいベンチプレスのフォームは、バーが下降する際も上昇する際も、原則としてショルダーパッキング(肩甲骨内転・下制位)を維持します。
ショルダーパッキングができていると、肘関節90°屈曲位でちょうどゼロポジションあたりになります。
理想はトップポジション(挙上しきった状態)もショルダーパッキングを維持することです。
こうすることで、大胸筋を十分に動員し、効かせることができます。
肩に余裕ができる
バーが胸に軽くつくボトムポジションでは、肩関節は水平伸展位となります。
しかし、ショルダーパッキングが使えていると、肩関節にはそれほど強い負荷はかかりません。
ショルダーパッキングを使えないと…
ショルダーパッキングが十分に使えないベンチプレスのフォームは、肩甲骨関節窩がやや前方を向きます。
ショルダーパッキングが不十分な場合、肘関節90°屈曲位で既に水平伸展位となります。
肩関節に余裕がない
肩甲骨外転位でベンチプレスをすることはありません。
しかし、ショルダーパッキングのように肩甲骨内転位が維持できていない場合、ボトムポジションで強い肩関節水平伸展位が強いられます。
肩関節が過度な水平伸展位を強いられることにより、肩関節前面には強い伸張ストレス、肩関節後面には強い圧縮ストレスがかかります。
この状態でベンチプレスを続けると、肩関節を痛めるリスクが高まります。
バーを胸につける前に
選手がベンチプレスをしている際にコーチが「バーを胸につけろ」と指導するのを耳にします。
ショルダーパッキングを十分に指導せずに、選手が無理やりバーを胸につけると肩を痛めてしまう可能性が高いです。
ショルダーパッキングを維持したまま、バーを胸につけることを指導しましょう。
正しいベンチプレスフォームを獲得しよう
ボトムポジションでショルダーパッキングができないと、肩関節前面に強い伸張ストレスが掛かります。
また、挙上とともに肩甲骨が外転しがちなので注意が必要です。
ショルダーパッキングを維持することにより大胸筋も十分に動員できます。
もちろん、プッシュアップ(腕立て伏せ)や軽重量のベンチプレスであってもショルダーパッキングが維持できるようにしておく必要があります。
ぜひ、ショルダーパッキングを維持した正しいフォームのベンチプレスを習得してください。
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