食後に代謝が上がる理由とは?
食後に体温が上昇し、体が温かくなることを感じる方が多いでしょう。
これは、食事によって体内の代謝が活発になるためです。
この記事では、食後の代謝が上がるメカニズムと、その具体的な影響について詳しく解説します。
食事誘発性熱産生(DIT)とは?
食事を摂ると、体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱として消費されます。
これにより、安静にしていても代謝量が増加します。
この現象は「食事誘発性熱産生(DIT:Diet Induced Thermogenesis)」または「特異動的作用(SDA:Specific Dynamic Action)」と呼ばれています。
今回は、この食事誘発性熱産生について最新の研究を基に紹介します。
たんぱく質摂取で代謝アップ
食事誘発性熱産生のエネルギー消費量は、摂取する栄養素の種類によって異なります。
以下は、各栄養素の一般的なエネルギー消費割合です。
特に、たんぱく質の摂取は、食事誘発性熱産生において重要な役割を果たし、満腹感の調節にも寄与します。
アルコールについても10~30%のエネルギー消費があるとされていますが、体重管理にはあまり有益ではないとされています。
食事誘発性熱産生による満腹感
この研究によると、高たんぱく質・高炭水化物の食事は、高脂肪食と比べて食事中および24時間にわたって満腹度スコアが高いことが示されています。
また、食後の熱産生が「高炭水化物/低脂肪食」と比較して「高たんぱく質/低脂肪食」で100%増加することが確認されています。
食後誘発性熱産生に関連した満腹感が観察されたのは、高炭水化物食よりもむしろ高たんぱく質食に起因している可能性があります。
減量後の体重維持におけるたんぱく質の効果
高たんぱく食は、減量後の体重維持にも効果的です。
たんぱく質は除脂肪体重(脂肪以外の体重)の維持または回復を促し、高い熱発生によりエネルギー効率を低下が低下します。
これにより満腹感が増し、食事による摂取量が自然に減少します。
筋肉量が多いほど代謝も上がる
加齢や運動不足で筋量が減ると、基礎代謝が低下し、食事誘発性熱産生も低下します。
逆に筋量を増やすためのトレーニングを行うと、基礎代謝とともに食事誘発性熱産生も増加します。
また、食事中によく噛んで食べることが、流動食やよく噛まない食事に比べて食事誘発性熱産生を高めるとされています。
睡眠の質が改善する
トリプトファンは睡眠を促進するホルモン「メラトニン」の生成に関与しています。
トリプトファンからメラトニンが生成されるまでには、約14~16時間かかります。
そのため、朝食でトリプトファンを豊富に含むたんぱく質を摂取することをお勧めします。
コメント