モビリティエクササイズ|ムーヴメント改善シリーズ②

モビリティエクササイズ ムーヴメント改善シリーズ② mobility exercise トレーニング基本の「き」
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モビリティエクササイズとは

モビリティエクササイズは、能動的可動域の向上を目的としたエクササイズです。

自らが力を発揮しながら全可動範囲わたり体を動かし、その可動範囲の拡大を図ります。

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Mobitityとは

モビリティは「可動性」のことで、スポーツにおけるモビリティは「力発揮をしながら可動範囲を拡げる動作によって得る可動性」のことを意味します。

可動域(ROM : Range of Motion)は、能動的可動域(Active ROM)と受動的可動域(Passive ROM)の2種類に大別されますが、主に前者がこれにあたります。

能動的可動域(Active Range of Motion)

能動的可動域は自動的可動域ともよばれます。

モビリティエクササイズはこの可動域拡大を目的としたエクササイズです。

バリスティックストレッチと呼ばれることもあります。

自身の力によってコントロールできる可動域である反面、受動的可動域よりも狭いことがほとんどです。

受動的可動域(Passive Range of Motion)

受動的可動域は他動的可動域とも呼ばれます。

遠心力や重力、他者の力などによって得る可動域です。

この可動域を拡大する手法として、スタティックストレッチ(静的ストレッチ)があり、一般的なストレッチやパートナーストレッチがこれにあたります。

これによる可動性は、フレキシビリティ(柔軟性:Flexibility)と表現されることが多くあります。

通常は、能動的可動範域よりも広いですが、自身の力によってコントロールできない可動域です。

関節可動域測定は原則として受動的可動域によって行われます。下記の記事を参考にしてください。

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モビリティエクササイズの手順

モビリティエクササイズは特定の部位を固定した状態で、特定の部位を能動的に動かすエクササイズがほとんどです。

四つん這いで行うモビリティエクササイズ、「Tスパインローテーション(エルボーアップ)」を例に挙げます。

  1. 四つん這い(テーブルトップポーズ)になる
  2. ヒップロッキングを用いて股関節を屈曲位に固定し、骨盤を制御する
  3. 片手を後頭部に添える(スタートポジション)
  4. 肘を天井に向けてゆっくりと挙上していく
  5. 腰椎→胸椎→胸郭→肩甲骨→肩関節と順に可動性を高める
  6. 視線は肘の方向を向く
  7. 最終可動域で力を維持し、ゆっくりと深呼吸をする(通常1~3呼吸)
  8. ゆっくりとスタートポジションにもどる
  9. 8~10回繰り返す

効果①筋のアクティベーション

筋収縮が不十分な段階でスポーツ動作に入ると、スポーツ外傷・障害の原因となります。

モビリティエクササイズは筋収縮を促し、競技で必要とされる筋力発揮を円滑にすることができます。

効果②スイッチングを促す

スポーツ動作は「主動筋の収縮」と「拮抗筋の弛緩」をスイッチング(切り替え)の素早い繰り返しを要求されます。

アクティベーションされた主動筋が強く収縮し、拮抗筋はしっかりと弛緩することで、素早く力強い動作が発揮できます。

また、素早いスイッチングを円滑にできることは、スポーツ外傷・障害の予防につながります。

スイッチング不良や共縮(主動筋と拮抗筋が同時に収縮すること)によるエラー動作はスポーツ外傷・障害の主要な原因です。

モビリティエクササイズは相反性拮抗抑制を促します。

相反性拮抗抑制とは「主動筋を収縮させた際に、拮抗筋は弛緩する」という原理です。

Tスパインローテーションを例に挙げると下記のようになります。

収縮(主動筋)弛緩(拮抗筋)
一方向への体幹回旋筋反対方向への体幹回旋筋
肩甲骨内転筋肩甲骨外転筋
肩関節水平伸展筋肩関節水平屈曲筋群

この原理を用いれば、表の左側の筋を収縮させることにより、表の右側の筋を弛緩させます。

相反性拮抗抑制により拮抗筋の弛緩が促されることで、可動範囲が拡大することを狙います。

プレパレーションとして

プレパレーションは、スポーツやトレーニングのメインプログラム(本運動)に入る前の準備段階として行う「準備運動」の一部です。

モビリティエクササイズはプレパレーションには欠かせないエクササイズです。

ムーヴメント:Movement とは

スポーツにおけるムーヴメントとは、人の「動き」のことです。

パフォーマンスピラミッドでは、最下層のファンダメンタル(基礎)とパフォーマンスの間に存在する要素です。

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