日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)のカリキュラムが変わるって聞いたけど、これまでのテキストは変わるの?
JSPO-AT受験生や、これからJSPO-ATを目指す人たちは、テキストの変更が最も気になる点だね。
現時点でわかっている情報をここに掲載していくよ。
情報はわかり次第更新していくから、こまめにチェックしてみてね。
ドキドキ…。
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)について
JSPO-ATについては過去の記事にて紹介していますで、ご覧ください。
2022年度より新カリキュラムに移行している
新カリキュラムについては下記のJSPOホームページに掲載されています。
また、シラバスについては、JSPOホームページに掲載されています。
2022年度の養成講習会は新カリキュラムの内容で進むようです。
免除適応コース(大学や専門学校など)については、来年度以降、新カリキュラムへと移行していくようです。
新カリキュラムの科目
現時点で読み取れる科目名をまとめると下記の通りです。
JSPO-ATの役割
安全・健康管理およびスポーツ外傷・障害の予防
コンディショニング
リコンディショニング
救急対応
検査・測定と評価
人体の解剖と機能
スポーツ科学
スポーツ医学概論
現場実習
新テキストの変更点
上記のシラバスの科目名に準じて、テキストも変更されます。
新テキストは、2022年12月1日より販売が開始されるようです。
私は仕事の関係上、複数の知人に執筆担当者がいますが、これまでの現場的で実用的な内容と比較して、学術的でアカデミック(学究的)な内容にシフトするのではないかとの噂です。
最新記事についてアップしました。こちらも参考にしてみてください。
巻 | 新テキスト | 価格 (円) | 相当すると思われる旧テキスト |
---|---|---|---|
1巻 | アスレティックトレーナーの役割 | 3,850 | ①アスレティックトレーナーの役割 |
2巻 | 安全・健康管理およびスポーツ外傷・障害の予防 | 4,400 | ③スポーツ外傷・障害の基礎知識 ④健康管理とスポーツ医学の一部 ⑥予防とコンディショニングの一部 |
3巻 | コンディショニング | 3,850 | ⑥予防とコンディショニング |
4巻 | リコンディショニング | 4,400 | ⑦アスレティックリハビリテーション |
5巻 | 救急対応 | 3,850 | ⑧救急処置 |
6巻 | 検査・測定と評価 | 2,970 | ⑤検査・測定と評価 |
上記の表は、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト(2022年カリキュラム対応)(227KB)をもとに作成しました。
9巻から6巻になった
実質、専門テキストの数が3冊分減りました。
もともと旧テキストは下記の問題が指摘されていました。
・専門テキスト間で内容が重複している
・共通テキストと内容が重複している
・内容が重複しているのにそれぞれ詳細な内容が異なる
・アスレティックトレーナーの職域を超えている
上記のポイントが、今回の新テキストに反映されたのではないかと考えられます。
2024年に新テキストが3冊出版
2024年3月に文光堂より、下記3冊が追加されました。
- 運動器の機能と構造
- スポーツ科学概論
- スポーツ医学概論
詳細は下記リンク先をご覧ください。
共通科目はリファレンスブックに集約
共通科目テキスト
これまで、公認スポーツ指導者養成テキストは、共通科目Ⅰから共通科目Ⅳまで4冊のテキストが存在していました。
共通科目Ⅰは比較的ベーシックな内容、共通科目Ⅳは専門性の高い内容と、段階的に専門性が上がっていくような構成でした。
取得する資格の専門性によって、使うテキストが異なり公認アスレティックトレーナーの場合は共通科目Ⅰ~Ⅲのテキストを使用していました。
リファレンスブック
リファレンスブックは、共通科目ⅠからⅣの4冊の内容を1冊に集約しています。
取得する資格の専門性に応じて、学習する章と、必要のない章を使い分けることになりました。
リファレンスブックに集約された科目
上記の理由により、これまでのアスレティックトレーナー専門テキストとして存在していた下記科目は、新カリキュラムへの移行に伴いリファレンスブック内に集約されました。
新カリキュラム | 相当すると思われる旧テキスト |
---|---|
人体の解剖と機能 | ②運動器の解剖と機能 |
スポーツ科学 1)運動生理学 2)バイオメカニクス 3)体力・運動能力向上と外傷・障害予防に必要なスポーツ科学の応用的知識 4)スポーツ科学の基礎知識の体力・運動能力向上と外傷・障害予防への活用 | 該当の専門テキストなし ただし、参考書籍あり |
スポーツ医学概論 | ④健康管理とスポーツ医学 |
上記の他、アスレティックトレーナー専門テキストが、リファレンスブックの内容に直接的に集約された形になった科目は下記の通りです。
リファレンスブック | 相当すると思われる旧テキスト |
---|---|
体力のトレーニング | スポーツ科学/トレーニング科学(参考書籍) |
心のトレーニング | スポーツ科学/スポーツ心理学(参考書籍) |
スポーツと栄養 | ⑨スポーツと栄養 |
アンチ・ドーピング | ④健康管理とスポーツ医学 |
新2巻は旧3巻、4巻の一部、6巻の一部を集約
新2巻は「安全・健康管理およびスポーツ外傷・障害の予防」です。
旧3巻「スポーツ外傷・障害の基礎知識」は運動器疾患を扱う領域で、旧4巻「健康管理とスポーツ医学」は内科的疾患を扱う領域でした。
しかし、旧4巻のほとんどがリファレンスブック内にも集約されており、健康管理は予防の側面を兼ねていることから、事実上リファレンスブックと新2巻に分割され集約された形になりました。
同様に、旧6巻「予防とコンディショニング」の予防的側面である、テーピングやストレッチ、用具等も新2巻に集約されました。
消えたアスレティックリハビリテーションと救急処置
この2科目について名称変更がありました。
一つは、領域に対する視野を広げたこと。
また、医療国家資格者の領域を侵すような誤解をされない言い回しに変更したものと考えられます。
新:リコンディショニング 旧:アスレティックリハビリテーション
アスレティックリハビリテーションとリコンディショニングには、それほど定義の違いはありません。
リコンディショニングは、再発予防に対する取り組みも含まれている印象です。
「リハビリテーション」は理学療法士が専門とする領域です。
理学療法士は法律上は名称独占であり、「リハビリテーション」という行為自体は業務独占とされていません。
しかし、「アスレティックリハビリテーション」という名称を用いることによって理学療法士の職域を侵さないにしても、紛らわしいことに違いはないため、今回は上記に配慮したものと考えられます。
なお、理学療法士については下記の記事を参考にしてください。
新:救急対応 旧:救急処置
アスレティックトレーナーは、緊急性の高い疾患は医師や救急救命士(救急車に乗っている消防署の職員)に引き継ぐまでの救急処置を行います。
上記と比較して緊急性のそれほど高くない疾患も、救急処置をした上で、スポーツドクターなどの医療資格保持者に引き継ぎます。
処置内容は、止血法、固定法、RICE処置、熱中症の冷却処置、頭頚部を含む脊椎外傷への処置等、変更はありません。
救急対応は、救急処置という部分的で「応急手当て」的な表現に比較し、的確に医療資格保有者に引き継ぐまでの流れを含めた表現としたことが、今回の変更理由と考えられます。
まだまだわかっていないことが多い
新しいテキストやカリキュラムの本格的なスタートは、今年度の養成講習会からとなる見込みです。
いろいろ変わってくるんだね。
詳細情報がわかったら、更新していきます。お楽しみに。
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