日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)資格の取り方

日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)資格の取り方 資格のこと
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日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)って有名な資格なの?

JSPO-ATは民間資格の一つ。一般の人たちにはあまり知られていない資格かもしれないね。

でも、アスリートを支えるトレーナーの世界では、誰もが一度は目指す資格なんだ。

それだったら、その資格をみんな持っていてもいいよね?

なんであまり見かけないんだろう。

資格取得の難易度が高いことが原因の一つになっているんだ。

資格試験は毎年1,500人前後が受験して、合格者は200人程度。

試験合格率15%前後の狭き門であることがわかるね。

でも資格を持っている人がたくさんいた方が、知名度も上がって助かる選手たちも増えるんじゃなかな。

合格率が低い理由って何だろう?

アスリートを支えるトレーナーとしての資質の担保もあるんだよ。

JSPO-ATは、スポーツドクターやコーチと連携しながら選手を支える、スポーツ医科学に精通したマルチプレイヤーなんだ。

資格を取るためにはどうすればよいの?

今回は日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格取得方法を紹介します。

わーい!

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そもそも日本スポーツ協会(JSPO)って何?

公益財団法人日本スポーツ協会は、国内の都道府県体育(スポーツ)協会や中央競技団体、関係スポーツ団体を統括している団体です。

スポーツ庁をはじめ、日本オリンピック委員会(JOC)や、日本スポーツ振興センター(JSC)とも連携をしながら、各競技のスポーツ指導者育成、国民体育大会の運営、スポーツの普及や発展、などに寄与しています。

日本スポーツ協会

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JSPO公認スポーツ指導者

中央競技団体や都道府県スポーツ協会等と連携し、下記のようなスポーツ指導者の養成をしています。

  1. 競技別指導者(コーチ)資格
  2. メディカルコンディショニング資格
  3. フィットネス資格

詳細は下記リンクをご覧ください。

日本スポーツ協会公認スポーツ指導者概要

JSPO-ATはメディカルコンディショニング資格

メディカルコンディショニング資格には、下記4つの資格があります。

アスレティックトレーナーはメディカルコンディショニング資格の一つにあたります。

スポーツドクター

医師の立場からプレーヤーの健康管理、スポーツ外傷・障害の診断、治療、予防、研究等にあたります。

資格取得には医師免許が必要です。

スポーツデンティスト

歯科医師の立場からプレーヤーの健康管理、歯科口腔領域におけるスポーツ外傷・障害の診断、治療、予防、研究等にあたります。

資格取得には歯科医師免許が必要です。

アスレティックトレーナー

スポーツドクターをはじめコーチ等との緊密な協力のもとに、

1)スポーツ活動中の外傷・障害予防
2)コンディショニングやリコンディショニング
3)安全と健康管理
4)医療資格者へ引き継ぐまでの救急対応

という4つの役割に関する知識と実践する能力を活用し、 スポーツをする人の安全と安心を確保したうえで、パフォーマンスの回復や向上を支援します。

スポーツ栄養士

地域におけるスポーツ活動現場や都道府県レベルの競技者育成において、スポーツ栄養の知識を持つ専門家として、プレーヤーの栄養・食事に関する専門的視点からの支援等、栄養サポートを行います。

資格取得には管理栄養士免許が必要です。

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講習受講方法

アスレティックトレーナー資格取得のための講習受講方法は2通りあります。

養成コース

都道府県体育協会、中央競技団体、JSPOが特に認める国内統轄競技団体からの推薦が必要です。

つまり、上記3団体のいずれかに所属していて、すでに長年トレーナーとして団体に貢献している方を対象としています。

原則とした1団体あたり年に1名の推薦者が選出されますので、全国でも100名前後です。

数年間推薦待ち状態という団体もありますので、トレーナー経験のない方や経験の浅い方にとっては縁のない手段といってよいでしょう。

なお、アスレティックトレーナー検定試験については、養成コース修了者も、下記免除適応コース修了者と同じ試験を受けることになっています。

養成コースの詳細

免除適応コース

アスレティックトレーナー免除適応コース承認校に入学する方法です。

専門学校や大学に行き、必要な単位を修得し、資格試験に合格すれば、アスレティックトレーナーの資格が取得できます。

全国の学校数

AT免除適応コース承認校は全国で67校あります。

地域別、学校種別にみていくと下記の通りです。

地方専門学校大学大学院短期大学合計
北海道3校1校4校
東北2校1校3校
北関東2校1校3校
南関東11校13校1校25校
中部6校5校1校12校
近畿6校4校10校
中国・四国1校2校3校
九州・沖縄4校3校7校
合計33校31校1校2校67校

圧倒的に南関東に集中していることがわかります。

学校種別からみると、専門学校と大学が半々であることもわかります。

承認校が増えなかった理由

上記の67校に関しては、ここ10年近くほとんど顔ぶれが変わっていません。

というのも、ここ数年間はJSPOが新設の申請を受け付けていなかったようです。

2023年度新カリキュラム移行に伴い、新規申請を再開するようです。

2024年度からAT資格を取れる学校が増えることが発表されています。

新カリキュラムへの移行についてはこちら。

JSPO-AT検定試験

上記の養成コースまたは免除適応コースを修了すると、いよいよ検定試験になります。

資格試験は、理論試験と実技試験の2つに分かれています。

理論試験に合格すると実技試験を受験することができます。

理論試験

アスレティックトレーナー検定試験の第一関門は理論試験です。こちらの記事を参考にしてください。

時期

毎年11月に行われます。

免除適応コースの場合は最終学年の11月に理論試験を迎えますので、就職活動や学内の試験や卒業論文は余裕をもって終わらせておくと良いです。

試験形式

理論試験は五肢択一または択二の選択式(マークシート式)です。

問題数

220問です。内訳は下記の通りです。

午前 基礎科目 110問
午後 応用科目 110問

出題内容

アスレティックトレーナー専門科目テキストより出題されます。

<基礎科目>
 ①スポーツ科学
 ②運動器の解剖と機能
 ③スポーツ外傷・障害の基礎知識
 ④健康管理とスポーツ医学
 ⑤スポーツと栄養
 ⑥アスレティックトレーナーとしての常識問題

<応用科目>
 ①アスレティックトレーナーの役割
 ②検査・測定と評価
 ③予防とコンディショニング
 ④アスレティックリハビリテーション
 ⑤救急処置
 ⑥アスレティックトレーナーとしての常識問題

試験時間

試験時間は午前、午後ともに2時間30分、合計5時間です。
試験中、途中退室は可能ですが、トイレ等の理由を除き、退室後の入室は認められません。

一般問題と必修問題

午前・午後のそれぞれ110問のうち、必修問題10問ずつがランダムに含まれています。

合格基準

一般問題が概ね7割以上、必修問題は8割以上の正解で合格とするとされています。

一般問題 200問中 概ね140問以上
必修問題 20問中 16問以上

ここでは一般問題の「概ね」というキーワードが目につきますね。

推測ですが、次の実技試験の人数を、一般問題のボーダーラインを使って調整している可能性があります。

過去問

下記リンクに、過去問が掲載されていますので、参考にしてみてください。
理論試験問題

合格率

令和3年度の理論試験合格率は23.6%です。

養成コースと比較し、免除適応コースの方が若干合格率が高かったようです。

実技試験

理論試験に合格すると、最終関門である実技試験に臨みます。実技試験対策については下記ページで解説しています。

時期

2月または3月の日程のいずれかに振り分けられます。

鍼灸マッサージ師や柔道整復師の国家試験と重なり、受験できないというケースもありますので、学校とよく相談しておきましょう。

評価内容

「実技試験は、アスレティックトレーナーの業務に必要な知識、適性、マネジメント能力及び技術を総合的に評価する」とされています。

検定員

検定員は公認スポーツドクター1名、公認アスレティックトレーナー2名で構成されています。

検定員の他に、競技者役となって指導を受けてくれるモデルがいるのですが、この競技者モデルも公認アスレティックトレーナーです。

つまり、アスレティックトレーナーは3名ということになります。

試験時間

試験時間は約30分です。後述する3カテゴリーの試験と通しで行います。

試験内容

試験内容は、6分野を下記3カテゴリーに集約して行われます。

1.検査・測定と評価/救急処置  8分
2.アスレティックリハビリテーション 11分
3.テーピング 8分

評価基準

評価基準は下記の通りです。

「アスレティックトレーナーが備えるべき知識、理論及び基本的な実技を基盤として、現場で安全に業務を遂行しうる基本的な実技及び指導を実践できるか」を評価する。実技試験全体に共通する評価のポイントは下記の2つとする。
(1)競技者とのコミュニケーションを前提としたアスレティックトレーナーに必要な技術を有しているか。
(2)アスレティックトレーナーが備えるべき知識・理論を基盤として実施される基本的実技及び指導が安全を確保できる許容範囲であるか。

あまり奇をてらうような内容だと不合格となる可能性が高いです。

全体像については下記の記事でも紹介していますので参考にしてみてください。

合格率

令和3年度の実技試験合格率は、72.0%でした。

養成コースと比較して、免除適応コースの合格率は若干低かったようです。

合格率(概算)

理論試験合格者がその年に実技試験を受けないこともあることや、実技試験には再受験者もいることから、2つの試験の合格率を正確に出すことはできません。

今回は下記公式に当てはめて考えます。

令和3年度の合格率 = 理論試験合格率 × 実技試験合格率 = 約17%

ここ最近は10~20%程度の合格率であるため、令和3年度も概ね例年通りの合格率です。

全国のアスレティックトレーナー認定者数

令和4年10月現在で5,002名です。

公認スポーツ指導者認定者数

合格率は養成コースを修了するような経験豊富なトレーナーも、免除適応コース修了者と同じくらいなんだね。

一昔前は、養成コース修了者の方が高い合格率を誇っていたんだけど、どちらかというと今は免除適応コース修了者がしっかりと試験に向けた対策をして臨んでいるんだ。

学校側の企業努力の勝利といってもいいね。

試験に合格する秘訣ってあるの?

ある程度傾向はあるので、しっかりと対策して臨めば、それほど難しい試験でもないよ。

むむむ…。教えて。

それは下記リンク先の記事で紹介されているので、参考にしてください。

資格のこと
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