バットスイング速度向上の要因
今回は、前回の記事に引き続き、バットスイング速度に関する論文(BRIEF REVIEW:簡潔なレビュー)を紹介します。
Contributing Factors for Increased Bat Swing Velocity
バットスイング速度向上の要因(2009)
バットスイング速度は速い方が良い
現在、日本の高校野球の公式戦で使用できる規定バットは900g以上とされています。
プロ野球選手はそれと同等か、やや軽量のバットを使っていることが多いようです。
バットのスイングスピードが向上することにより、投手の投球からボールを見極める時間の延長、スイング時間の短縮、打球速度の向上が見込めます。
これにより打率、長打率、本塁打数など、打者としてのステータスを高めることができます。
15年以上前の論文
この論文が投稿されたのが2009年です。
すでに15年以上が経過している上、2024年時点でこの論文の被引用数は119件(Google Scholar)です。
まさか、日本の高校野球の指導者や選手が「15年前からの既成事実」を知らないなんてことはないですよね?
ネクストバッターズサークルでのバットの重さ
5つの研究、合計132名の被験者の大学生や高校生を対象とした研究によるまとめと結論は下記の通りです。
打席に入る直前のネクストバッターズサークルでは、試合用バットか、それよりも僅かに重い/軽いバットでの素振りが、打席においてスイング速度を向上させることがわかりました。
素振りトレーニングに適したバットの重さ
それでは、普段の練習での素振りでは、どのくらいの重さのバットの使用が適しているのでしょうか。
5研究、合計84名(うち18名は女性)の大学生およびプロ選手を対象とした研究による結論とまとめは下記の通りです。
ほとんどすべての研究において、試合と同等の重さのバットを振ることで
1研究では、どのような重さのバットを使用しても週300回、6週間のスイングを行えば、スイング速度が向上すると結論づけています。
しかし、いくつかの研究が、重いバット(1.76kg:試合用バットの2倍の重さ)での素振りが、選手のスイング技術を変えてしまう可能性があることを示唆しています。
このことからも、極端に重いバットを使用することはマイナスに働く可能性が高いことがわかりました。
試合でも練習でも試合用バットで素振りを
以上のことから、試合でスイング速度を最大に高めるためには、重すぎるバット、軽すぎるバットの使用は適していないことがわかりました。
スイング速度を効果的に向上させるためには、試合用バットと同じ重さのバットか、それよりも僅かに(±12%)重い/軽いバットを用いて素振りをしてみてください。
バットスイング速度向上要因まとめ
今回の記事では、最初の2項目について述べてました。
バットスイング速度低下要因まとめ
今回の記事では、最初の2項目について述べました。
さらに詳しい情報を知りたい方は、ページ最上部の論文をご覧ください。
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