カテゴリーⅠ救急処置、検査・測定と評価を攻略する|JSPO-AT実技試験

カテゴリーⅠ 救急処置、検査・測定と評価を攻略する JSPO-AT実技試験 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー 検定試験 資格のこと
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カテゴリーⅠは8分間でしょ?

どんなことに注意すればよいの?

では今度はカテゴリーⅠの救急処置、検査・測定と評価の内容について詳しく見ていこう!

わーい!

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JSPO-AT実技試験の概要

実技試験の概要に関しては、下記の記事を参考にしてください。

新カリキュラムの実技確認テストについてはこちらから

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JSPO-AT実技試験の流れ

こちらも以前の記事で紹介しています。まずは全体像を確認しておきましょう。

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評価のポイント

①病態理解のための情報収集力
 →病態からみた評価項目の理解と適切な手順(問診・視診・触診)

②対象部位の機能・理学検査による鑑別評価
 →鑑別に必要なROM・MMT・整形外科的テストの実施

③情報収集・鑑別評価実施時のリスク管理
 →手技の事前説明、痛みの確認、病態を悪化させない配慮

④スポーツ外傷・障害に対する救急処置
 →正しい手順・方法での救急処置(安静肢位・固定肢位・固定方法の選択、RICE 処置)

⑤評価結果及び救急処置の選手への説明
 →適切な言葉で選手に病態の説明

それでは、カテゴリーⅠの救急処置、検査・測定と評価の流れについて見ていきましょう。

基本的には下記の記事と内容が同じですので、どうしても重複する内容になることをご了承ください。

実技試験特有の内容も補足していきます。

試験の流れ

カテゴリーⅠ 検査・測定と評価、救急処置の流れ
  • STEP1
    自己紹介
  • STEP2
    問診
  • STEP3
    患部の露出
  • STEP4
    視診
  • STEP5
    触診
  • STEP6
    骨の異常の確認
  • STEP7
    関節運動の確認
  • STEP8
    筋力発揮時/筋伸長時痛の確認
  • STEP9
    スペシャルテスト(整形外科的テスト)
  • STEP10
    選手への評価および処置内容の説明と同意
  • STEP11
    アイスパックの作成
  • STEP12
    患部への固定
  • STEP13
    選手への今後の対応の説明
  • STEP14
    質問がないか確認

試験開始

STEP1 自己紹介

実技試験では初対面の選手を想定しています。

「こんにちは。トレーナーの〇〇です。」程度の挨拶はしておくと良いと思います。

競技者モデルによっては、動けないくらいの痛み演じている人もあれば、自ら歩いて近づいてくる人もいるようです。

病態理解のための情報収集

STEP2 問診

あまり時間がないため、問診内容は端的に、出題文と重複しない程度にとどめましょう。

出題文と合わせたうえで下記のことが確認できれば大丈夫です。

問診内容聞き方選手に求める回答内容
受傷機転どのように痛めた?ひねった方向や、痛みを感じた瞬間
疼痛部位どこが痛い?手が届く部位であれば人差し指一本で示してもらう
痛みの種類どのように痛い?疼く痛み、外れた感じ、不安感
疼痛増悪因子どうすると痛い?体重を掛けると痛い、ひねると痛い、力を入れると痛い

STEP3 患部の露出

問診内容からどんな外傷であるのかを想定し、視診や触診をしていきます。

衣服や靴で隠れている場合はめくったり、脱がせたりして、受傷部位を露出します。

その際、気を付けることは下記の2点です。

・患部を露出する必要性について説明し同意を得る
・患部を愛護的に慎重に扱う

STEP4 視診

患部を露出させたら、左右ある部位の場合は見比べながら視診していきます。

【重大な所見】
 ・目立った変形
 ・出血
 ・内出血・皮下出血

【局所の急性炎症所見】
 ・発赤
 ・腫脹

基本的に競技者モデルが上記の状態であることはないため、実際に腫れていたり、赤らみがない限りは演じる必要はありません。

「目立った変形や出血、内出血はありませんね。」などと、何を目で確認しているのかを言葉に出しながら進めていくと良いでしょう。

STEP5 触診

必ず触診の必要性を説明し、同意を得た上で触診を始めます

急性炎症反応の一つである局所の熱感がないか、患部を圧迫しないよう、手背などを使って局所温度の左右差を確認します。

また、疼痛部位についても触診で確認しておきます。

圧痛は指を置く程度の強さから始め、徐々に圧していき、選手が痛みを感じたらすぐに除圧できるようにしましょう。

圧痛も左右差を必ず確認します。

対象部位の機能・理学検査による鑑別評価

STEP6 骨の異常を確認

部位や受傷機転によってはタップテストやスクイーズテストで、骨に異常がないか確認します。

STEP7 関節運動時の確認

可能であれば、関節運動を確認します。

自動運動を中心に、必要であれば他動運動で確認します。

筋の損傷が疑われる場合は、単関節筋と多関節筋を配慮しながら鑑別していきます。

関節運動中に痛みや違和感、不安感を感じたらすぐにやめましょう。

STEP8 筋力発揮時/筋伸長時痛の確認

筋挫傷や筋挫滅、打撲などの筋損傷や腱損傷が疑われる場合、筋力発揮時やストレッチ時に痛みが出ないか確認します。

筋に力が入らない場合、痛みによるものなのか、そうでないのかも確認しておきましょう。

STEP9 スペシャルテスト(整形外科的テスト)

ここまでくると、どの部位にどのような問題が生じているのかを判断できます。

評価の最後はスペシャルテスト(整形外科的テスト)を行い、陽性か陰性で判定します。

念のため、他の「疑わしいが除外しきれない傷害」についてもここで判定していきます。

最も受傷機転に近い肢位にするため、下記のような注意事項を守りましょう。

・必要に応じて健側から行い、選手に心の準備をさせる
・痛みや不安を感じたらすぐに教えてもらうように言っておく
・検査中の選手の表情や仕草の変化を見逃さない
・検査中の手で触知している感覚(エンドフィールなど)を見逃さない
・陽性所見とすり合わせる

競技者モデルもアスレティックトレーナーであるため、整形外科的テストが正確にできているかを受けていて評価されます

評価結果及び救急処置の選手への説明Ver.1

STEP10 選手への評価および処置内容の説明と同意

鑑別ができたら、疑わしい傷害についての説明をします。

しかし、診断のように傷害名を特定したかのように説明することは絶対にやめましょう

あくまで、疑わしい傷害であって、その診断と治療をするのはスポーツドクターです。

そのため、これから行う処置は救急処置であって治療ではないこと、スポーツドクターによる診断や治療を受けたり指示を仰いだりする必要があることをはっきりと説明しておきましょう。

また、試験は急性炎症を伴うスポーツ外傷であることがほとんどのため、RICE処置の必要があることと、RICE処置の内容について説明し、同意を得ましょう。

また、寒冷蕁麻疹や寒冷過敏症がないかもここで確認しておきます。

スポーツ外傷・障害に対する救急処置

鑑別が終わり、これから行う処置について説明し、競技者モデルから同意が得られたら、RICE処置に取り掛かります。

STEP11 アイスパックをつくる

実技試験はダミー氷を使用します。ダミー氷は透明なアクリルストーンです。

クーラーボックスから取り出し、ビニール袋か氷のうに入れて作ります。

ビニール袋でのアイスパックの作り方は過去の記事を参考にしてください。

STEP12 患部への固定

患部を悪化させない肢位で安定させ、患部にアイスパックまたは氷のうをあてがい、バンデージで固定します。

バンデージの張力は、患部が適度に圧迫されていることと、末梢の血流障害や神経障害が起こらないことに配慮します。

急性炎症による腫脹を少しでも和らげるために、挙上用枕などを使って患部を心臓より高い位置に保持します。

臥位(寝た姿勢)や座位など、挙上していても安定して安静を保てる姿勢をみつけましょう。

評価結果及び救急処置の選手への説明Ver.2

STEP13 選手への今後の対応の説明

ここまでくると試験時間はあと僅か。

時間が許す限り、下記のような説明をしておきます。

・RICE処置は約20分間続けること
・急性炎症症状が続く限り(概ね48~72時間程度)繰り返すこと
・RICE処置の間隔は60分程度あけること
・RICE処置の効果の説明
・鑑別はしたが、診断ではないこと
・応急的に手当てはしたが、治療ではないこと
・できるだけ早くスポーツドクターのいる医療機関を受療するよう勧めること

STEP14 質問がないか確認

最後に何か質問があるか確認しましょう。

競技者モデルから質問があった場合は可能な限り答えましょう。

こんな感じです。

確認しなければならない項目がたくさんある…。8分でできるのかな。

そこが問題だね。いろいろな出題パターンで何度も練習しないとね。

頑張ります!

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