インターネット広告規制の背景
近年、インターネット広告の形態が多様化する中で、消費者を保護するための規制が強化されています。
特に、あはき師法や柔整師法に基づく広告規制は、利用者の安全を守るために重要です。
今回の変更点は、広告の透明性と信頼性を高めることを目的としています。
なお、今回は下記リンク先の資料や議事録をもとに作成しておりますので、正確な情報は下記リンク先をご確認ください。
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会
今回のガイドラインの変更点
広告の定義の明確化
インターネット上の情報提供が広告に該当するかどうかの基準が明確になりました。
特に、バナー広告やリスティング広告は、明確に広告として扱われることが定義されています。
明確に広告として扱われるもの
- バナー広告
- 検索結果のスポンサー表示
- 口コミサイト、ランキングサイトの情報
- 施術所の情報を基にした広告
ウェブサイト上に表示されるバナー形式の広告、検索サイトで特定のキーワードを検索した際にスポンサーとして表示される広告、施術所が掲載料や広告料を支払っている口コミサイトやランキングサイトの情報、施術所が広告料を支払っている広告は、明確に広告として扱われます。
明確に広告として扱われないもの
- 施術所のウェブサイト等
- 一般的な情報提供
- 個人の体験談や感想
- 非営利的な情報
施術所の運営に関する一般的な情報や、施術内容の説明、利用者の個人的な体験談や感想が掲載されている場合、施術に関する教育的な情報や、健康に関する啓発活動などは、明確に広告として扱われません。
虚偽広告の厳罰化
虚偽の情報を含む広告に対する罰則が強化され、違反した場合の罰金や業務停止のリスクが高まっています。
科学的根拠の要求
広告においては、科学的根拠に基づいた情報提供が求められるようになり、根拠のない主張は厳しく制限されます。
遵守すべきポイント
広告を行う際には、以下のポイントを遵守することが求められます。
虚偽の情報
施術の効果について虚偽の主張をすることは禁じられています。
実際のデータや根拠がない場合、誤解を招く恐れがあります。
例えば以下の場合、具体的な研究や調査結果を示す必要があります。
他との比較による優良性の主張
他院や他社との比較広告は避けるべきです。
具体的な根拠がない場合、優良誤認(他の施術所等より著しく優れているとの誤認)を与える可能性があります。
なお、本ガイドラインでは下記事項も明記されています。
芸能人が受療している旨は、事実であっても広告可能な事項ではない
過度な急かし表現や費用の過度な強調
利用者に不安を与え、急いで決断させることを目的としたものは禁止されます。
科学的根拠の乏しい情報
特定の症状に関するリスクを強調し、施術所への受療を誘導する内容は禁止されます。
無資格者による施術の誤認を招く表示
無資格者が、国家資格が必要な施術業務を行っていると利用者に誤認を与えるような表示は禁止されます。
品位を損ねる内容
わいせつ・残虐な図画や映像を使用した広告や、差別を助長する表現を含む内容は禁止されます。
正確で信頼性の高い情報を
インターネット上の広告規制は、利用者の保護と、正確で信頼性の高い情報提供を実現するために不可欠です。
特に、今回の変更点を理解し、遵守すべきポイントをしっかりと把握することが重要です。
広告を行う際には、法律を遵守し、正確で公平な情報を提供することで、利用者が安心してサービスを選択できる環境を整えることが求められます。
コメント