理論試験って難しいんでしょ?
何から始めたらいいかわからないよ。
今の試験形式になってから15年近く経っている上に、過去問も公開され始めて10年近く経っているから、比較的試験対策はしやすくなっていると思うよ。
では、今回は理論試験に合格するための攻略法を紹介します。
わーい!
JSPO-ATとその検定試験の概要
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)について、またその検定試験の概要については、下記の記事を参考にしてください。
勉強効率別ベスト&ワースト3科目
指数が高いほど、少ないページから出題され、かつ正答率も高い傾向にあります。
つまり効率よく得点することができる科目といえます。
1位 検査・測定と評価
2位 スポーツと栄養
3位 健康管理とスポーツ医学
最新の科目別正答率については下記リンク先を参考にしてください。
勉強効率ワースト3科目
したがって、指数が低いほど、1問あたりの出題ページが多く、かつ正答率も低い傾向にあります。
つまり得点するのに苦労する科目といえます。
特級 スポーツ科学
特級 運動器の解剖と機能/スポーツ外傷・障害の基礎知識
1位 アスレティックトレーナーの役割
2位 アスレティックリハビリテーション
3位 予防とコンディショニング
特S級にある3科目は、多数の参考書籍から出題され、出題元を探すのは至難の業です。
今回の指数で示した場合、特級3科目は1位「アスレティックトレーナーの役割」よりも効率が悪い科目であることは間違いないでしょう。
さて、この理由について解説していきます。
科目別正答率
毎年、若干変動があるものの、各科目からの出題数の傾向はそれほど大きくは変わりません。
まずはJSPOが発表した科目別正答率からみていきましょう。
科目 | 正答率 |
---|---|
スポーツ科学 | 52.1% |
運動器の解剖と機能 スポーツ外傷・障害の基礎知識 | 57.8% |
健康管理とスポーツ医学 | 60.3% |
スポーツと食事 | 64.8% |
アスレティックトレーナーの役割 | 76.5% |
検査・測定と評価 | 70.6% |
予防とコンディショニング | 65.7% |
アスレティックリハビリテーション | 70.3% |
救急処置 | 67.1% |
科目別出題数とテキストのページ数
続いて科目別の出題数、テキストページ数、出題率を出します。
出題率 = テキストページ数 ÷ 出題数
科目 | 出題傾向 | テキストページ数 | 出題率 |
---|---|---|---|
スポーツ科学 | 20問 | 参考書籍 | |
運動器の解剖と機能 スポーツ外傷・障害の基礎知識 | 50問 | 123 218 | 参考書籍 |
健康管理とスポーツ医学 | 25問 | 135 | 18.5% |
スポーツと栄養 | 15問 | 84 | 17.8% |
アスレティックトレーナーの役割 | 5問 | 170 | 2.9% |
検査・測定と評価 | 30問 | 170 | 17.6% |
予防とコンディショニング | 35問 | 365 | 9.5% |
アスレティックリハビリテーション | 25問 | 355 | 7.0% |
救急処置 | 15問 | 144 | 10.4% |
新しいテキストについては、下記関連記事で紹介しています。参考にしてみてください。
指数に変換する
ここで、「出題率」に「正答率」を掛けてみます。
指数 = 出題率 × 正答率
科目 | 出題率 | 正答率 | 指数 | 順位 |
---|---|---|---|---|
スポーツ科学 | - | 52.1% | - | - |
運動器の解剖と機能 スポーツ外傷・障害の基礎知識 | - | 57.8% | - | - |
健康管理とスポーツ医学 | 18.5% | 60.2% | 1114 | 3 |
スポーツと栄養 | 17.8% | 64.8% | 1153 | 2 |
アスレティックトレーナーの役割 | 2.9% | 76.5% | 222 | 7 |
検査・測定と評価 | 17.6% | 70.6% | 1243 | 1 |
予防とコンディショニング | 9.5% | 65.7% | 624 | 5 |
アスレティックリハビリテーション | 7.0% | 70.3% | 492 | 6 |
救急処置 | 10.4% | 67.1% | 698 | 4 |
過去問は公開、正答は未公開
過去問については、JSPOホームページの下記リンクで公開されています。
正答は一切公開されていません。
あまり時間のない方はネットで模範解答を探してもよいと思いますが、JSPOが公式に出している解答ではありません。
自分でテキストから解答を導き出す作業は、時間と労力を費やす代わりに知識も定着しやすいと感じています。
試験までに時間がある方は上記の方法をお勧めします。
合格するための勉強方法
テキストを読み込み理解する
基本的にはこの方法が「一番遠回りのようで、一番の近道」です。
出題文も選択肢もほとんどすべてテキスト内の文章から出ています。
「ここのニュアンスはおかしいな」とか「この表現だといろんな解釈ができるな」とか、「テキストや章によって、言っていることが違う」などの思っていてもそのまま出てくるのです。
そのため、全く違った文章だと、対策として扱いにくいかもしれません。
過去問を解く
これは2種類の使い方があります。
・問題の性質や出題傾向をみたいとき
・勉強が終わって知識がどの程度定着したか確認したいとき
過去問と同じ問題が出題されていることもあります。
年によっては半分近く出題されていることもありますが、ごく稀なことです。
例年、過去問からの類似問題の出題数は20~30%程度ではないかと思います。
問題集を買う必要はない
さまざまな問題集が出版されたり、サイトで作成されているようですが、個人的にその必要性はないと思っています。
逆に正確性に乏しいこともあるようで、かえって混乱を招いているというケースが多々みられます。
模擬試験を受験する必要はない
問題の解き方を練習するには良いと思いますが、お金を出してまで受ける必要はありません。
問題集同様、問題の精度に疑問が生じるようなことも多々あります。
参考書籍は図書館等で確認する
スポーツ科学は原則参考書籍から、スポーツ外傷・障害の基礎知識はテキストと参考書籍の両方から出題されます。
下記に示しますが、かなり膨大な量になります。
スポーツ科学
スポーツ科学は「運動生理学」下「バイオメカニクス」「スポーツ心理学」「トレーニング科学」の4科目に分かれています。
多数の書籍をそろえる必要があり、すべてそろえるにはお金と時間と労力を要しますので、学校の図書館を利用できるのであれば、買う必要はありません。
運動生理学 | 出版社 |
---|---|
運動生理学20講 | 朝倉書店 |
運動生理学の基礎と発展 | フリースペース |
スポーツ生理学 | 市村出版 |
入門運動生理学 第3版 | 杏林書院 |
運動生理学概論 | 杏林書院 |
バイオメカニクス | 出版社 |
---|---|
スポーツバイオメカニクス入門 | 杏林書院 |
スポーツバイオメカニクス | 朝倉書店 |
スポーツバイオメカニクス20講 | 朝倉書店 |
バイオメカニクス | 杏林書院 |
スポーツ心理学 | 出版社 |
---|---|
最新スポーツ心理学-その軌跡と展望 | 大修館書店 |
スポーツメンタルトレーニング教本 | 大修館書店 |
トレーニング科学 | 出版社 |
---|---|
トレーニング科学ハンドブック | 朝倉書店 |
トレーニングの科学的基礎 ー現場に通じるトレーニング科学の基礎 | ブックハウスHD |
トレーニングによる体の適応 | 杏林書院 |
テキスト以外からも出題される科目
ここ数年、「スポーツ外傷・障害の基礎知識」「運動器の解剖と機能」は出題傾向が変わり、テキストに加え参考書籍より出題されるようになりました。
運動器の解剖と機能 スポーツ外傷・障害の基礎知識 | 出版社 | ページ数 | 税込価格 |
---|---|---|---|
標準整形外科学 第13版 | 医学書院 | 931 | 10,340 |
整形外科学・外傷学 第7版 | 文光堂 | 863 | 13,200 |
スポーツ外傷・障害の理学診断・理学療法ガイド 第2版 | 文光堂 | 572 | 7,700 |
スポーツ外傷学 Ⅰ スポーツ外傷学総論 Ⅱ 頭頸部・体幹 Ⅲ 上肢 Ⅳ 下肢 | 医歯薬出版 | 297 203 247 433 | 9,900 6,600 7,700 13,200 |
新版スポーツ整形外科学 | 南江堂 | 594 | 16,500 |
学校ではこの書籍の内容を網羅して授業が展開されています。
いずれも高額な書籍であるため、スポーツ科学同様に、図書館などで確認する程度で良いと思います。
選択式問題攻略法
五肢択一
- 正しいのはどれか。
- 誤っているのはどれか。
で出題されます。正解率は当てずっぽうに答えても5分の1。20%となります。
五肢択二
- 正しいのはどれか。2つ選べ。
- 誤っているのはどれか。2つ選べ。
という形式で出題されます。2つのうち、どちらか一方が間違っていれば不正解になります。
a,b b,d
a,c b,e
a,d c,d
a,e c,e
b,c d,e
の10パターンの解答があります。当てずっぽうに答えると10分の1、つまり正解率は10%ということになります。
択一と択二はどちらが解きやすいか
一見、択二問題の難易度が高いように見えますが、択二は5分の2が正解の選択肢になるため、1つの選択肢は40%の確率で当たります。
もう一方の選択肢は、1つ目が正解であれば4分の1で25%。1つ目が不正解であれば4分の2で50%になります。
ある程度理解している問題なら、だいたい1つの選択肢はすぐに見つけられます。
1つ目の選択肢の正解率を100%と仮定すると、2つ目の選択肢は4分の1で、25%になります。
そのため、感覚的には択一も択二も難易度に差を感じません。
「すべて選べ」問題がある
「アスレティックトレーナーとしての常識問題」と「必修問題」のどちらか、または両方にあたるのがこの問題だと思われます。
恐らく、すべての選択肢が正解していなければ、不正解となる問題になると思いますが、正確には明らかになっていません。
とにかくテキストを読み込むべし
これほどまでにテキスト通りに出題される試験も珍しいと思います。
まずはしっかりとテキストを読み込んで対策していきましょう。
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