鍼って痛そうだし、正直怖いんだよね。
でもスポーツをやっている友達や、おばあちゃんも治療院に通ってるよ。
国内の20歳から99歳までの男女1,214人を調査した結果を見てみよう!
マッサージの年間受療率は約20%で増加傾向
あん摩マッサージ指圧療法、鍼灸療法に対する受療者の評価委に関する調査(前編)1.6MB
鍼灸の年間受療率は約5%で横ばい傾向
あん摩マッサージ指圧療法、鍼灸療法に対する受療者の評価委に関する調査(後編)1.2MB
マッサージは5人に1人が、鍼灸は20人に1人が1年間で1回は受けていることがわかるね。
でも、意外に身の回りには受けている人は多いよね。
受けてみたいと思うこともあるし、受けたらいいのになって思う人はいるよね。
とくにアスリートは身体疲労が溜まりやすく、疲労回復やケガの予防のために鍼灸マッサージを受療していることが多いよ。
テレビや雑誌でも選手が鍼やマッサージを受けているシーンはよく見かけるね。
アスリートにとって鍼灸マッサージ師は身近な存在なんだね。
その通り!
実際に、プロチームのトレーナーのほとんどが鍼灸マッサージ師の資格を持っている人たちなんだ。
え?そうなの?
ちょっと鍼灸マッサージ師の資格に興味が出てきたぞ。
簡単に資格が取れる方法はないかなーっと。ポチポチ…
実は、鍼灸マッサージ師は国家資格で、3年以上学校に通って専門知識や技術を修得し、国家試験に合格しなければならないんだ。
思ってたよりハードルが高そうだ…。
やっぱりあきらめようかな…。
車を運転するには車の免許が必要なのと同じで、資格を持たずに鍼灸マッサージをすると法律違反で罰せられるんだ。
これは、この法律を知らなかったとしても罪に問われるんだよ。
えー!?
無資格でもマッサージしている人っているんじゃない?
もっと詳しく教えて!
それでは今回は、鍼灸マッサージ師になる方法をわかりやすく解説します。
わーい!
世界で認められている鍼灸マッサージの効果
鍼灸マッサージの有効性は世界でも認められています。こちらの記事を参考にしてください。
鍼灸マッサージ師の資格
鍼灸マッサージ師が「資格」であることは前述の通りです。
まずはこの資格について紹介します。
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師は別々の資格
「鍼灸師」や「鍼灸マッサージ師」と名乗っている人も多く、1つの資格だと思われています。
実は、「はり師」「きゅう師」「あん摩マッサージ指圧師」はそれぞれ単独の資格、つまり別々の資格です。
日本には「はり師」の資格しか持っていない人もいれば、「きゅう師」の資格しか持っていない人もいますし、もちろん「あん摩マッサージ指圧師」の資格しか持っていない人もいます。
なぜ「鍼灸師」と「鍼灸マッサージ師」がいるのか
前述の通り、資格が異なるため、後述する国家試験も厳密に言えば別々の試験になります。
そのため、「鍼灸師」は「はり師」「きゅう師」の国家試験に合格し、資格を持っている人、「鍼灸マッサージ師」は「はり師」「きゅう師」「あん摩マッサージ指圧師」の国家試験に合格し、資格を持っている人ということになります。
別名:あはき師・三療師・はき師・あまし師
業界では、「あん摩マッサージ指圧師」「はり師」「きゅう師」の3つの資格すべてを保有している人を、「あはき師」や「三療師(さんりょうし)」と呼ぶことがあります。
勘のいい人は「はき師」が何を指すかわかりますよね?そうです。「はり師」「きゅう師」の2資格のみ保有している人のことです。
「あまし師」は「あん摩マッサージ指圧師」の略称です。
あはき師の法律
あはき師には法律が存在します。通称「あはき法」とされていますが、
あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律
が正式名称です。
詳細は下記リンクを参考にしてみてください。
国家資格 = 免許
これらの3つの資格は、国家資格、すなわち免許です。
あはき法第一条にも明記されています。
簡単に言うと「医師でない者が、鍼灸マッサージの仕事をするなら、免許を取りなさい!」という法律です。
医師免許があれば、鍼灸マッサージの仕事はできます。
この免許は厚生労働大臣が認定しているため、厚生労働大臣認定と表記されることもあります。
業務独占
あはき法の中には業務独占というものがあり、
鍼灸マッサージの仕事ができるのは、各々免許を持っている人だけですよ!(医師以外で)」
という内容が明記されています。
この法律に違反したら、五十万円以下の罰金に処されるのですが、過去の事例を見ている限りでは、まず間違いなく懲戒免職や解雇などの失職につながります。
あはき師の学校
あはき師の免許を取るための学校は全国各地にあります。
ここでは、あなたに合った学校を見つけるためのポイントを紹介します。
養成施設 = 専門学校 or 大学
免許を取得するためには、養成施設で3年以上必要な知識や技術を修得し、国家試験に合格する必要があります。
高卒以上の晴眼者(視覚障害を持っていない人)は、厚生労働大臣が認定した専門学校か大学に入学することになります。
3年以上については、飛び級などの例外はありません。したがって、専門学校はすべて修業年限3年以上の学校です。
- STEP1鍼灸マッサージ師養成施設に入学する
- STEP23年以上必要な知識、技術を修得する
- STEP3卒業前に国家試験を受験し、合格する
- STEP4卒業後、免許登録する
全国の学校数
晴眼者を対象とした養成施設を地域別にみると下記の通りです。
地域別 | 専門学校数 | 大学数 |
---|---|---|
北海道 | 4校 | |
東北地方 | 4校 | |
関東地方 | 26校 | 2校 |
中部地方 | 13校 | 2校 |
近畿地方 | 16校 | 4校 |
中国・四国地方 | 5校 | |
九州・沖縄地方 | 12校 | 2校 |
合計 | 78校 | 10校 |
学費がかかる
鍼灸マッサージ師の養成校の学費は、他の職域の学校と比較しても高いです。
卒業までの学費を学校区分別に見てみましょう。
専門学校 400万円 ~ 600万円
大学 600万円 ~ 800万円
上記の学費については、学校によってはテキスト代や実習衣などのユニフォーム代を含んでいない学校もあります。
一見、学費が安い学校でも、入学してみたら他の学校よりも高くなったということも多いので注意が必要です。
あん摩マッサージ指圧師の取れる学校は少ない
全国で「あん摩マッサージ指圧師」の免許が取れる学校数は下記の通りです。
・専門学校 26校
・大学 0校
あん摩マッサージ指圧師は、全国で88校ある養成施設のうち、26校でしか取得できません。
大学で「あん摩マッサージ指圧師」免許が取得できる学校は1校もありません。
大学での取得を勧めない理由
この業界は、大卒でも専卒でも能力や待遇に差が生じることありません。
この点は同じ医療資格でも、大卒有利な看護師や理学療法士、診療放射線技師などと異なる点です。
逆に、大学は「あん摩マッサージ指圧師」の免許が取得できずに不利になります。
学位の一つである「学士」取得にこだわりがなければ、専門学校に入学することをおすすめします。
ちなみに、専門学校卒業後、4年次編入により1年で「学士」を取得する方法もありますので、下記の記事をご覧ください。
「あん摩マッサージ指圧師」を取らないとどんなことが起こるのか、紹介します。
「あん摩マッサージ指圧師」免許は本当に必要か
「はりが苦手」「きゅうは匂いが服につくから嫌」という選手や患者さんは世の中には非常に多くいます。
そのため、徒手療法である「あん摩」「マッサージ」「指圧」の出番は必須といっても過言ではありません。
前述の通り、年間受療率でいうと、マッサージ20%、鍼灸5%で、その差は歴然としています。
「あん摩マッサージ指圧師」の免許を持っていなければ、徒手療法で施術することはできません。
断言します。この業界に入るのであれば、
「あん摩マッサージ指圧師」は、絶対に取っておくべき免許です!
「あまし師」は整形外科病院やクリニックで働くチャンスに!
運動器リハビリテーションセラピストという制度があります。
「みなしPT」とも呼ばれ、理学療法士に代わってあん摩マッサージ指圧師が医療機関内で保険診療でリハビリテーションを行うことができる制度です。
詳細は下記リンク先をご覧ください。
失敗例:「あまし師」が取れない学校に入学した場合
このような事情も何も知らずに「はき師」のみの学校66校に入学してしまうとどのような現象が起きるのでしょうか。
①「はり師」「きゅう師」免許取得 3~4年
②「あん摩マッサージ指圧師」免許取得 3年
合計6~7年間
私の経験上、②の学校は「はり師」「きゅう師」の免許を持っていても授業(単位)免除も授業料の免除もほとんどありません。
つまり、時間もお金も通常の2倍近く掛かることになります。
結論:「あはき師」すべて取得できる学校を選ぶ!
26校のうち、4校は「あん摩マッサージ指圧師」の免許のみ取得可能な学校です。
本サイトでは、上記を除いた22校、つまり「あはき師」免許が3年間ですべて取得できる学校を選択することを強く勧めます!
へぇ。そうなんだ。でもなんで「あまし師」が取れる学校が少ないんだろう。
簡単にいうと、視覚障害者の職域を守るために、晴眼者の「あまし師」を増やさないようにしているのかもしれないね。
なるほど。じゃあ「あまし」が取れる学校は特別な学校なんだね。
実は、この26校はいわゆる「伝統校」と呼ばれる、業界では誰もが知っているポピュラーで歴史のある学校なんだ。
じゃあ、同じ学校の卒業生も全国にいっぱいいるはずだから、卒業したあともそんな繋がりが持てる可能性があるんだね。
そういうメリットもあるね。
学校によっては同時に取得できる資格や、国家試験合格率、流派、教育方針などいろんな特色があるんだよ。
もう少し詳しい学校選びのポイントなどは、後日アップしていきます!
自分に合った学校選びができるとよいですね!
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