筋肉痛を早く解消するには?最新研究が示す回復のための方法

筋肉痛を早く解消するには?最新研究が示す回復のための方法 論文まとめ
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筋肉痛とは?

筋肉痛は、運動後の筋繊維の微細な損傷や炎症が原因で起こります。

特に「遅発性筋肉痛(DOMS: Delayed Onset Muscle Soreness)」は、運動の24~48時間後にピークを迎え、その後徐々に回復していくことが一般的です。しかし、痛みが続くと日常生活に支障をきたすこともあります。

今回は、2018年に発表された研究論文をもとに、筋肉痛の緩和や回復をサポートする具体的な方法を紹介します。

An Evidence-Based Approach for Choosing Post-exercise Recovery Techniques to Reduce Markers of Muscle Damage, Soreness, Fatigue, and Inflammation: A Systematic Review With Meta-Analysis

直訳すると「筋損傷、筋痛、疲労、炎症のマーカーを減少させる運動後の回復テクニックを選択するためのエビデンスに基づいたアプローチ: メタアナリシスによるシステマティックレビュー」です。

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研究概要

この研究の目的は、運動後の遅発性筋肉痛 (DOMS)、自覚疲労、筋損傷、炎症マーカーに対する回復技術の効果をメタアナリシスによって評価することです。

PubMed、Embase、Web-of-Scienceの3つのデータベースを使用し、ランダム化比較試験、クロスオーバー試験、反復測定研究を対象に、特定の検索語を使用して文献を調査しました。

最終的に99の研究が分析対象に含まれました。

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筋肉痛を予防・回復させる方法

結果として、マッサージがDOMSと疲労感の軽減に最も効果的であり、特にスポーツ選手や一般人を問わず、広く有効であることが確認されました。

遅発性筋肉痛 (DOMS)
アクティブリカバリー、マッサージ、コンプレッションウェア、冷水浴、交代浴、クライオセラピーがDOMSの大きさを小〜大幅に減少させた。
特にマッサージがDOMSと疲労回復に最も効果的。


筋損傷と炎症マーカー
マッサージや冷却が効果的で、特にクレアチンキナーゼ (CK)、インターロイキン-6 (IL-6)、C反応性タンパク質 (CRP)の値が中程度に減少した。

以下に詳しく解説します。

マッサージ:★★★

マッサージは筋肉痛の軽減と回復促進に最も有効であることが報告されています。

筋肉の血流を促進し、筋肉の浮腫を軽減することで、筋損傷による痛みを抑える可能性があります。

さらに、クレアチンキナーゼ(CK)やIL-6の濃度を減少させる効果も見られ、筋損傷の回復を早める役割を果たしていると考えられます。

運動直後または運動後2時間以内に行われる20~30 分のマッサージは、運動後24時間のDOMSを効果的に軽減することが示されています。

さらに、マッサージが運動後72時間のDOMSを軽減することが報告され、この効果は運動後96時間まで有意な影響があることもわかりました。

コンプレッションウェア:★★☆

コンプレッションウェア(Compression Garments)は伸縮性の高い生地によって着用時の身体に圧をかけることで、身体にさまざまなサポート効果をもたらす機能性ウェアです。

コンプレッションウェアもDOMSと疲労感の軽減に有効ですが、筋損傷マーカー(CK)や炎症マーカー(IL-6、CRP)に関しては顕著な効果が確認されませんでした。

この研究では、運動後96時間までのコンプレッションウェアの着用がDOMSに有意な影響を与えることを確認しました。

また、コンプレッションウェアを使用すると疲労感が大幅に減少することもわかりました。

激しい高負荷トレーニングの後、全身用のコンプレッションウェアを24時間着用すると、疲労感が大幅に軽減されることがわかっています。

冷水浴や交代浴:★☆☆

冷水浴交代浴もDOMSに効果がありましたが、その影響は限られたものでした。

冷水浴

冷水浴は体温を下げ、炎症反応や筋損傷を軽減することで痛みを抑える可能性があります。

15℃以下の冷水浴のみが炎症にプラスの影響を与えることが観察されました。

運動の種類、水に浸かる時間、浸かるレベル、水温によって、結果が異なっていました。

血中IL-6とCRP濃度の変化に関するメタ分析では、有意な効果は観察されませんでした。

交代浴

交代浴(CWT:Contrast Water Therapy)は、リカバリーの目的でよく用いられ、温水と冷水で交互に入浴する方法です。

交代浴は負荷運動後24時間、48時間、72時間における痛みを有意に減少させました。

末梢血管収縮と血管拡張を連続的に誘導し、運動後の浮腫の形成を抑制し、炎症経路に影響を与え、痛みの感覚を減少させる可能性があります。

アクティブリカバリー:★☆☆

アクティブリカバリー(AR:Active Recovery、積極的休養)は、回復のために行う軽い有酸素運動です。

DOMSには交代浴と同等かそれ以上の効果を及ぼしましたが、疲労感には影響がありませんでした。

7分間の低強度運動は筋損傷マーカー(CK)除去を促進しました。

アクティブリカバリーの顕著な効果は、筋肉組織の血流増強によって説明でき、代謝老廃物の除去が促進され、筋損傷や痛みの軽減に寄与する可能性があります。

クライオセラピー:★☆☆

クライオセラピーは運動後のDOMSを軽減するのに効果的でしたが、効果量はかなり低いものでした。

運動後に-140℃と-195℃で3分間クライオセラピーを実施したところ、全身クライオセラピーがDOMSに好影響を与えることを明らかにした論文もありましたが、そのような効果を認めなかった論文もありました。

ストレッチ・電気治療:☆☆☆

ストレッチ電気刺激は、DOMSや疲労感の軽減には有効ではないことが確認されています。

場合によっては逆にDOMSを引き起こす可能性があることが示唆されています。

まとめ

筋肉痛の解消や予防には、適切な運動後のケアが不可欠です。

最新の研究からは、マッサージ、コンプレッションウェア、冷水浴や交代浴が効果的であることが明らかになっています。

運動後は、無理をせずこれらの方法を取り入れることで、筋肉痛を軽減し、健康的な体を維持しましょう。

論文まとめ
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