牛乳が「骨粗鬆症」の原因に?牛乳は摂取すべきか

カルシウム 牛乳 骨粗鬆症 論文まとめ
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牛乳や乳製品は推奨されている

結論から言えば、カルシウムとビタミンDを摂取していれば骨粗鬆症のリスクは下がります

しかし、複数の論文の中で「牛乳を多く摂取する国は、摂取しない国と比較して大腿骨の骨折が多い」ことは懸念されています。

今回は、その理由について紹介していきます。

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牛乳や乳製品が推奨される理由

牛乳や乳製品の摂取が有益な理由を下記にまとめました。

ここでいう乳製品は、牛乳、ヨーグルト、チーズ、強化大豆飲料などのことを示します。

牛乳や乳製品の摂取

牛乳や乳製品の摂取はどの年齢層にとっても有益である
特に骨の発達が著しい子どもや青少年にとっては重要
カルシウムだけでなく、ビタミンDたんぱく質の供給源にもなる

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牛乳や乳製品の摂取を制限する必要がある場合

牛乳や乳製品の摂取を制限する必要がある場合は下記の通りです。

牛乳や乳製品の摂取制限

乳糖不耐症牛乳アレルギーのある患者

適切な摂取量

適切な摂取量は下記の通りです。

牛乳や乳製品の摂取量

乳製品を3回食べれば、1日に必要なカルシウムを摂取できる
成人は無脂肪または低脂肪(1%)の乳製品を1日当たりコップ3杯分摂取すべきである

高齢者の牛乳や乳製品の摂取

高齢者に問題となる骨粗鬆症の予防のために、牛乳や乳製品の摂取は重要であることが示されています。

高齢者の牛乳や乳製品の摂取

牛乳や乳製品を摂取すべきである(避けるべきでない)
骨粗鬆症を予防するために重要な、利用率の高いタンパク質、ビタミンD、カルシウム、リンの供給源である
乳糖不耐症は高齢者に多く、発酵乳製品(ケフィア、ヨーグルト)や無乳糖牛乳が最適
植物性ミルクを牛乳の完全な代替品とみなすことはできない

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症は、骨密度の低下による骨構造の悪化によって引き起こされる進行性の疾患であり、その主な影響は骨折のリスクの増加です。

骨粗鬆症の疫学

骨粗鬆症は女性が男性の2倍罹患するといわれています。

米国では、50歳以上の成人4,000万人以上が、低BMDのために骨粗鬆症の発症リスクが高く、米国で骨粗鬆症に罹患している患者の総数は約1,200万人であると報告されています。

イタリアでは、女性350万人、男性100万人が骨粗鬆症に罹患しているようです。

大腿骨近位部(股関節)骨折は米国で30万人、ヨーロッパでは170万人いると想定されています。

毎年、大腿骨近位部骨折の患者は、15~30%の死亡率を示しています。

人種別にみると、アフリカ系アメリカ人の骨粗鬆症の発生は、白人集団に比べて低いことがわかっています。

疫学的に利用可能なデータによると、小柄な白人女性が最も影響を受ける(リスクが高い)ようです。

牛乳消費国に骨粗鬆症が多い理由は?

世界保健機関(WHO)と国際連合食糧農業機関(FIA)は、骨粗鬆症の有病率が最も高い国の人々がカルシウムを多く摂取していると定義しています。

これについての理由はいくつかの要因が考えられます。

カルシウムとリンの比率

牛乳に含まれる高濃度のリンは、子牛の適切な成長に必要です。

牛乳を多く摂取する国で飲まれている牛乳には、カルシウムとリンが多く含まれています

対照的に、ヒトのミルク(母乳)はリンの含有量が牛乳の約6倍少ないといわれています。

牛乳に含まれるカルシウムのうち、ヒトにとって生物学的利用可能なのは約3分の1しかない上に、リンの多くは吸収されます。

これにより、牛乳の生物学的利用可能なカルシウム量は、リンの吸収量の半分以下になってしまいます。

カルシウムの生物学的利用能が低いヒトでは、血清カルシウム ー リンバランスを乱し、副甲状腺ホルモンを刺激して骨からカルシウムを放出する引き金となります

動物性たんぱく質が原因?

牛乳に含まれる高たんぱく質もまた、カルシウムバランスを乱す一因となるようです。

1,035人の女性の食生活を分析した結果、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の比率が高い女性は、植物性たんぱく質のみを摂取している女性に比べて、骨量の減少率が有意に高いことを報告した論文もあります。

このような骨量の減少により、股関節骨折が 4 倍増加しました。

植物性カルシウムに置き換えると良い?

推奨されている乳製品の摂取量の多くを、リンの絶対量が少なく、リンのカロリー密度が低い緑葉野菜やその他の植物性カルシウム源に置き換えることで改善できる可能性があります。

アジア、中東、アフリカ諸国など、西洋化されていない伝統的な食生活においては、植物性食品の摂取量が多く、乳製品の摂取量が少ない国々では、北米やヨーロッパの国々よりも骨粗鬆症の発症率がはるかに低いことがわかっています。

カルシウム含有量の多い食品

モロヘイヤ、小松菜、みずな、ひじき、からしな など

しかし緑黄色野菜や海藻は、乳製品や大豆製品と比較してカルシウムの吸収率が低い(牛乳の半分以下)上に、シュウ酸や食物繊維といったカルシウムの吸収を阻害する成分も含まれることについては注意が必要です。

ビタミンDも十分に摂取を

小児期や思春期のような成長の著しい時期は、ビタミンDとカルシウムの適切な摂取が不可欠です。

カルシウムとビタミンDの適切な摂取は、骨量のピークを維持するのに役立ちます。

また、ビタミンD濃度が低いと副甲状腺機能亢進症を引き起こし、カルシウムの腸管吸収を低下させ、骨吸収を引き起こします。

ビタミンDの欠乏は骨粗鬆症と関連していて、骨折のある女性はビタミンD欠乏症の有病率が高いこともわかっています。

骨粗鬆症の予防には運動も重要

骨粗鬆症予防の重要な要素に身体活動があります。

身体活動は骨密度を増加させ、定期的な運動は筋力を増加させ、転倒や骨折のリスクを減少させます。

牛乳や乳製品は摂取すべきか?

様々な論文により、牛乳や乳製品を摂取すべきか、摂取しないべきかの両方の意見が存在しています。

乳製品が少ない食事は、骨粗鬆症のリスク上昇と関連しています。

9つの研究のメタアナリシスでは、牛乳を飲む消費者と比較して、菜食主義者では脊椎と股関節の骨密度が低いことが報告されています。

本サイトとしては、下記の結論に至っています。

本サイトでの見解

原則として、牛乳や乳製品は摂取すべきである。

参考文献

今回参考にした論文はこちら。

Milk and Dairy Products: Good or Bad for Human Bone? Practical Dietary Recommendations for the Prevention and Management of Osteoporosis

「牛乳と乳製品: 人間の骨にとって良いのか悪いのか?骨粗鬆症の予防と管理のための実践的な食事勧告」

Dietary Intake of Vitamin D from Dairy Products Reduces the Risk of Osteoporosis

「乳製品からのビタミンD摂取は骨粗鬆症のリスクを低減する」

Osteoporosis in populations with High calcium intake: does phosphate toxicity explain the paradox?

「カルシウム摂取量の多い集団における骨粗鬆症: リン酸の毒性は矛盾を説明するか?」

論文まとめ
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