加圧トレーニングとは?
加圧トレーニングは、1970年代に佐藤義明氏によって始まった方法です。
海外ではBFR(Blood Flow Restriction : 血流制限)トレーニングと呼ばれています。
加圧トレーニングに関する最初の研究が発表されたのは1998年のことでした。
加圧トレーニングの研究
加圧トレーニングの研究は、現在も行われています。
特に、アスリートにおいては、筋力トレーニングが制限されている状況や、リハビリテーションの段階で注目されています。
今回は下記の2つの論文をもとに、加圧トレーニングの効果を
Blood Flow Restriction Training
Blood Flow Restriction Training for Athletes: A Systematic Review
加圧トレーニングのエビデンス
加圧トレーニングは、筋肉に流れる血流を意図的に制限し、低負荷でも筋力を増強することを目指します。
通常のトレーニングと比べて、非常に軽い負荷であっても筋肥大(筋肉量の増加)や筋力の向上が期待できるため、負荷をかけることが難しいアスリートやリハビリ中の選手にとって有益です。
加圧トレーニングが筋力向上に与える影響
加圧トレーニングの最大のメリットとして、低負荷トレーニングでも筋力向上と筋肥大が期待できるという科学的根拠が得らています。
特に、筋肉量の増加(約10%~20%)が報告されています。
加圧トレーニングを活用することで、リハビリテーション期間中においても高いトレーニング効果を得られることが示されました。
加圧トレーニングによるスポーツパフォーマンスへの効果
同様に、加圧トレーニングはスポーツパフォーマンスの向上する可能性があります。
ジャンプ能力やアジリティといったパフォーマンスの改善に役立つことが示されました。
加圧トレーニングを行うことで、低負荷でも筋肉に強い刺激を与えることができ、筋肉の反応を最大限に引き出すため、競技パフォーマンスにも好影響を与えるとされています。
加圧トレーニングの実践方法と安全性
加圧トレーニングは、適切に行えば非常に効果的ですが、誤った方法で行うとリスクが伴う可能性があります。
そのため、以下の点を押さえて実践することが重要です:
圧力設定
一般的に、加圧バンドは110mmHg〜240mmHgの圧力で設定されます。
圧力が高すぎると血流が完全に止まり、危険を伴う可能性があります。
トレーニングの負荷
加圧トレーニングは低負荷(20〜30%の1RM)で行います。
低負荷でも筋肉には十分な刺激を与えることができます。
負荷を徐々に調整し、筋肉が十分に疲労するように設定します。
トレーニング時間と頻度
加圧トレーニングは通常、1セットあたり15〜30回の反復を行い、セット間の休息時間は短く設定します。
また、週に2〜3回の頻度で行うことが推奨されています。
加圧トレーニングがアスリートに推奨される理由
加圧トレーニングは、特にリハビリ中のアスリートや負荷をかけづらい状況にある選手にとって、非常に有用です。
以下の理由から、アスリートのトレーニングに取り入れる価値があります。
筋力回復の促進
加圧トレーニングは、低負荷でも筋肉に十分な刺激を与えるため、怪我から回復中の選手に特に効果的です。
筋肉の萎縮を防ぎ、リハビリ中でも筋力を維持・向上させることができます。
短期間でのパフォーマンス向上
競技パフォーマンスを迅速に回復させるために、加圧トレーニングは有効です。
特に筋力や筋肉量の増加を目的とするトレーニングメニューに組み込むことで、短期間でのパフォーマンス向上をサポートします。
まとめ
加圧トレーニングは、アスリートにとって非常に強力なツールであり、筋力回復やパフォーマンス向上に大きな効果を発揮します。
特にリハビリ段階や低負荷での筋力強化が求められる場面において、その効果を最大限に引き出すことができます。
しかし、有資格のトレーナーの指導のもと、適切な方法で行うことが重要です。
今後、さらに多くの研究と実証が行われることで、加圧トレーニングの利用がより広がり、アスリートのパフォーマンス向上に役立つと考えられます。
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