筋トレがスポーツ外傷・障害リスクを70%も減らす!ストレッチは予防にならない?

ストレッチはスポーツのケガを予防できない?スポーツのケガを予防するなら筋トレをせよ!トレーニング スポーツ外傷・障害
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毎日のストレッチは、正直面倒くさい。

でも、ケガをしたくないから、お風呂上がりに欠かさずやらなきゃ。

選手を対象とした調査では、ストレッチ実施率は80~90%といわれているんだよ。

確かに、ストレッチはコーチやトレーナーに言われて各自で実施している選手も多いよね。

そうそう。今日も「ケガの予防のためにストレッチしておけよ」ってコーチに言われるよ。

「クールダウンの時間もろくに入れてもらえないのにー」って選手同士で話題になってるよ。

でもストレッチってケガの予防に効果がないかもしれないんだ。

今回はそんな論文を集めて調査した研究論文を紹介するよ。

わーい!

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スポーツ外傷・障害の予防への介入効果

今回は BJSM The Journal of Sport & Excercise Medicine で2014年に掲載された論文をもとに紹介していきます。

The effectiveness of exercise interventions to prevent sports injuries: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials

直訳すると「スポーツ傷害予防のための運動介入の有効性:無作為化対照試験のシステマティックレビューとメタアナリシス」です。

PubMed、EMBASE、Web of Science、SPORTDiscusから検索された3,462件の研究論文のうち、スクリーニングされた25件の研究論文を抽出したものです。

26,610名の参加者と、3,464名の負傷者が対象となりました。

ちなみに、本サイトでのおすすめ論文検索サイトは下記の通りです。参考にしてください。

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結果のプロット図

この研究では、ストレッチ、固有受容器トレーニング、筋力トレーニング、それらの組み合わせの論文に分類し効果を判定しています。

結果のプロット図は下記の通りです。

引用:https://bjsm.bmj.com/content/48/11/871

上から、「ストレッチ」「固有受容器トレーニング」「筋力トレーニング」「組み合わせ」の順です。

RRは Relative Risk (直訳で相対的リスク)、つまりリスク比のことです。

介入エクササイズリスク比
ストレッチ0.963(0.846-1.095)
固有受容器トレーニング0.550 (0.347–0.869)
筋力トレーニング0.315 (0.207–0.480)
複合的トレーニング0.655 (0.520–0.826)
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筋力トレーニングはスポーツのケガのリスクを1/3に減らす

筋力トレーニングはスポーツのケガのリスクを減らす

この研究でスポーツ外傷・障害の予防に最も効果を示したのが筋力トレーニング( Strength Training )です。

筋力トレーニングのリスク比は 0.315 (0.207–0.480)。

何も介入しなかった群と比較して、スポーツ外傷・障害の発生リスクが31.5%

つまりケガのリスクを7割近く低減しており、スポーツ外傷・障害を1/3まで減らす予防効果が期待できるといえます。

ここでの筋力トレーニングとは、筋力強化を目的としたトレーニングのことで、自体重負荷から器具を用いた負荷など、広義でのレジスタンストレーニングを指すものと思われます。

ストレッチはスポーツのケガの予防に効果がない

ストレッチはケガの予防に効果がない?

ストレッチ介入によるリスク比は 0.963(0.846-1.095)。

何も介入しなかった群と比較してスポーツ外傷・障害の発生リスクが96.3%ということになります。

この論文ではストレッチはスポーツ外傷・障害の予防に効果がないことが証明されました。

固有受容器トレーニングはスポーツのケガのリスクを半分に減らす

次に効果を示したのが、固有受容器トレーニングです。

固有受容器トレーニングのリスク比は 0.550 (0.347–0.869)。

何も介入しなかった群と比較して、スポーツ外傷・障害の発生リスクが55.0%

固有受容器トレーニングはケガのリスクを45.0%低減しており、スポーツ外傷・障害を半分まで減らす予防効果が期待できるといえます。

代表的な種目は片脚立ちバランス

この論文の中で固有受容器トレーニングは、関節固有感覚および/または関節安定性の改善を目的としたエクササイズと定義されています。

これは簡単に言うと、片脚立ちでバランスを取るようなトレーニングを代表とするものです。

片脚立ちでバランスを取っている時を思い浮かべてください。

関節の位置感覚や、足の裏から感じる重心位置を認知、判断し、身体各部の位置、筋出力の程度、方向の調整を行いながら身体バランスを取ります。

このように、自分の体の感覚を駆使し、出力の調整を行うようなトレーニングのことを固有受容器トレーニングと言います。

複合的トレーニングはスポーツのケガのリスクを2/3に低減させる

複合的トレーニングは「筋力トレーニング、固有受容器トレーニング、ストレッチの組み合わせ」のことです。

一見、すべての要素を加味しているため、効果としては高そうに見えます。

複合的トレーニングのリスク比は 0.655 (0.520–0.826)。

何も介入しなかった群と比較してスポーツ外傷・障害の発生のリスクが65.5%

35%程度リスクを低減しており、スポーツ外傷・障害を2/3まで減らす予防効果が期待できるといえます。

身体活動はスポーツ外傷とスポーツ障害、どちらにも予防効果がある

身体活動( Physical Activity )そのものは、スポーツ外傷・障害のどちらにも効果的に減少させる効果が示されています。 

種別発生機序リスク比
スポーツ外傷急性・突発的0.647 (0.502–0.836)
スポーツ障害慢性・使いすぎ0.527 (0.373–0.746)

ケガの予防したければ筋力トレーニングをせよ

ケガを予防するならトレーニング

この論文では筋力トレーニングを単独で行うことがスポーツ外傷・障害の予防に最も効果的であることが示されました。

しかも、複合的トレーニング(ストレッチ、固有受容器トレーニング、筋力トレーニングの組み合わせ)よりも、筋力トレーニング単独の方がスポーツ外傷・障害の予防効果があるとは驚きです。

えー。じゃあコーチがケガの予防のためにストレッチしろって言っているのは何?

ストレッチは、ケガの予防にはつながらないものの、可動範囲向上や筋肉の伸長性を高めるのには役立つんだ。

上手に使い分けよう。

じゃあケガ予防のための筋トレって何すればいいの?

この論文でも、今後、筋力トレーニングに関するさらなる研究が極めて重要であることを結論としているね。

筋トレの方法は、スクワットやフォワードランジ、腕立て伏せや懸垂といった器具を使わず自分の体重を使ったトレーニングも含まれているよ。

また、筋トレを正しい方法で行うことも大切。

いずれにしても、今後さらに研究が進むことが期待されるね。

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