日本人の25%が花粉症に悩まされている
花粉症は、季節性アレルギーの一つです。
日本国内の住民台帳を基準にした1万人を対象とした調査によると、花粉症は全国平均では15.6%いるといわれています。
東北 13.7%
北関東 21.0%
南関東 23.6%
東海 28.7%
北陸 17.4%
甲信越 19.1%
近畿 17.4%
四国 16.9%
中国 16.4%
九州 12.8%
北海道と沖縄はごく少ない有病率
最近の調査によるとスギ花粉症の有病者は全国で25%いると報告されています。
鍼治療は花粉症に効果がある
鍼治療は英語で Acupuncture (アキュパンクチャー)と呼ばれ、世界でもその効果が注目されて、研究が進められています。
ここでは、現時点でわかっている季節性アレルギーに対する鍼治療の効果をまとめます。
2015年に合計2,365人を対象とした13件のアレルギー性鼻炎の鍼治療に関する研究評価では、鍼治療が鼻の症状の緩和に役立つ可能性があるというエビデンスがあった。
上記の研究評価において、鍼治療を受けた参加者は、症状緩和のための投薬量が少なく、IgE抗体(免疫グロブリン:アレルギーに関連する抗体の一種)の血中レベルも低かったことがわかった。
米国耳鼻咽喉科(American Academy of Otolaryngology) – 頭頸部外科学会(Head and Neck Surgery)の 2014 年の臨床診療ガイドラインでは、医療提供者がアレルギー性鼻炎の患者に提供できるオプションの中に鍼治療が含まれていた。
詳細は下記サイトを参考にしてください。
Seasonal Allergies at a Glance
Acupuncture: What You Need To Know
身体的アプローチ
研究者たちは、季節性アレルギーに対する様々な補完的健康アプローチについて研究してきました。
身体的アプローチ | エビデンス |
---|---|
鍼治療 | 有用である可能性あり |
鼻うがい ネティポット | 従来の治療法に加えることで有用性がある可能性がある ※器具を不適切に使用すると感染症の可能性がある |
鼻うがいは、衛生上、滅菌生理食塩水(塩水)を含む市販の鼻洗浄製品が推奨されています。
その他の心理的/身体的アプローチ(ヨガ、太極拳、ダンス療法など)については、十分な研究がされていません。
栄養学的アプローチ
栄養成分には副作用があり、医薬品との望ましくない相互作用を起こすものもあります。
花粉症のサプリメントを検討している方は、必ず主治医に相談してください。
栄養成分 | エビデンス |
---|---|
ふき(蕗) | 有効性がある可能性あり ※肝機能に影響を及ぼすため注意 |
プロバイオティクス (乳酸菌など) | 一貫性に欠ける 一部のプロバイオティクスは有用である可能性あり |
はちみつ | 一貫性なし ※1歳未満の子どもの摂取は禁止 |
ハトムギ カプサイシン ブドウ種子エキス オメガ3脂肪酸 ケルセチン スピルリナ イラクサ ティノスポラ グドゥチ その他のハーブ | エビデンス不十分 一貫性なし |
栄養成分の中で最も有効である可能性があるのが「ふき」でした。
しかし、ふき製品の中には、ピロリジジンアルカロイド(PA)と呼ばれる化学物質が含まれているものがあります。
PAは、肝臓、肺、血液循環を損傷し、がんを引き起こす可能性がありますのでご注意ください。
花粉症の治療
花粉症の治療は他の鼻や眼のアレルギーの治療と基本的には同じです。
治療法を大きく分けると、症状を軽減する対症療法と根本的に治す根治療法の二つがあります。
治療法 | 具体例 |
---|---|
対症療法 | 全身療法:内服薬 局所療法:点眼、点鼻薬など 手術療法:鼻粘膜レーザーなど |
根治療法 | 原因抗原の除去と回避:マスク、めがね、転居など 減感作療法(抗原特異的免疫療法) |
対症療法としては抗ヒスタミン薬(第一世代、第二世代)、化学伝達物質遊離抑制薬、ロイコトリエン拮抗薬などの内服や点鼻、点眼、そしてステロイド薬の点鼻、点眼などが組み合わせられます。
根治療法として用いられるのは減感作療法です。
花粉の抽出液の濃度を少しずつ上げ注射して、身体を花粉に慣らす(花粉に対し防御する免疫を獲得する)ようにさせる方法です。
治療方法についてはかかりつけ医にご相談ください。
鍼治療のメリットは大きい
トップアスリートたちはアンチドーピングにより、これらの薬の服用に制限を受けることが多く、花粉症の選手たちの悩みとなっています。
鍼治療はドーピングの影響を受けない有効な治療の選択肢の一つとなります。
鍼治療がどのように効果をもたらすのかは不明
鍼治療がどのように症状を和らげるのかについては不明です。
現在のエビデンスでは、期待や信念、プラセボ反応など、鍼治療とは関係のない非特異的な要因が、痛みに対する鍼治療の有益な効果に重要な役割を果たす可能性があることが示唆されています。
WHOが認めた鍼灸の有効性
鍼灸に関連する記事は下記を参考にしてください。
鍼灸の可能性
日本の1年間の鍼灸治療の受療率は5.0%と報告されています。
アメリカでは6.4%の成人が鍼治療を受けており、年々増加傾向にあるようです。
世界的にも鍼灸の受療率が上がっていますが、90%以上の人が鍼治療の良さを経験していません。
花粉症でお悩みの方は、ぜひ鍼治療を体験してみてください。
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